不動産を「買う時」の情報はCMや新聞広告など溢れています。
かたや不動産を「売る時」となるとポストに入ったチラシ程度で、途端に情報が少なくなります。
そこで、当ブログ「宇都宮くらし」では不動産売却の全工程を詳しく解説いたします!
このページは一部上場不動産会社の開発担当として、不動産売却の最前線で売主様に寄り添ってきた宅建士が執筆しています。
この記事のとおりに売却活動を行えば知識ゼロの方も、相場より安く不動産を売ってしまうことや、なかなか売れなくてヤキモキすることはなくなります!
①情報収集しよう!【売却相場の調査】
「不動産がいったいいくらでうれるのか?」は売却でいちばん重要な所です。
そこで売却する不動産の周辺相場を調べます。
相場を調べる手段とて、最も手軽で信頼できるのが、インターネットの不動産ポータルサイトです。
主なポータルサイトは
アットホーム
SUUMO(スーモ)
HOME’S(ホームズ)
の3種類が圧倒的シェアを誇ります。
実際に不動産を売却する時は、貴方の不動産がポータルサイトに掲載される事になるので、周辺相場とかけ離れないようにイメージします。
不動産会社を選ぼう!【不動産業者の見つけ方】
実際にあなたの不動産の営業活動を行う不動産会社を選びます。
不動産会社には、
- 購入した不動産屋など、以前より付き合いがある不動産会社
- チラシや看板、ネットなど自分で探した会社
- 一括査定サイトの依頼により来た会社
があります
それぞれのメリット・デメリットは、
メリット | デメリット | |
以前から知っている不動産会社 | 話がしやすい | 営業力が低いこともある |
チラシやネットで探した会社 | 営業力が高い会社に依頼できる | 会社を見つけるのが大変 |
一括査定サイト | 様々な会社を比較できる | 玉石混交・無理な営業 |
このうち一番重視すべきポインは「販売する能力が高い不動産会社」です。
すぐに一社に依頼するのではなく、数社に査定をしてもらい、担当者の説明や態度で販売能力を見分けましょう。
不動産会社にいくらで売れるか不動産をみてもらおう(査定)
不動産屋の見当がついたら、実際に不動産を調べて価格を出してもらいます(査定)
数社に査定を依頼し、その中から信頼できる不動産屋を選ぶのが良いしょう。
査定では、販売価格を算出するために現地を調べるほか、法令上の制限や権利関係など、プロならではの角度で調査を行います。
不動産の仲介を依頼する会社を決めよう
査定金額が出そろったら、仲介を依頼する会社を決めます。
どの会社も一生懸命にやってくれて、決めにくいところだと思います。
ここで、依頼する会社を決定するポイントとして、
各不動産会社に必ず金額の根拠を教えてもらい、金額の説明に納得感がある会社に決めるのが良いでしょう。
なぜなら、買い手側も同じ説明を聞き不動産の購入をするからです。
また、査定額が高いから良い会社ではないという点にも注意しておきます。
なぜなら査定価格だけを吊り上げて貴方との契約を独占し、後で価格を下げることもあるからです。
しかも、そういう会社は販売能力が低い場合がほとんどです。
③不動産を売り出そう!【媒介契約】
売却する不動産会社が決まったら、「どのような内容で販売活動を行うか」の取り決めをします。
不動産会社は売主と買主の間に立って活動することを「媒介(ばいかい)」といいます
媒介契約は専属専任・専任・一般の3種類に分かれています。
特徴は以下のとおり
専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | |
何社に依頼できる? | 1社のみ | 1社のみ | 何社でもOK |
売却状況の報告は? | 1週間に1回 | 2週間に1回 | 報告義務なし |
レインズの登録は? | 5日以内に登録 | 7日以内に登録 | 登録義務なし |
自分で買主を見つけて直接取引できる? | できない | できる | できる |
とりあえず不動産会社とは専任媒介契約を締結しておけば不足はありません。
なお、仲介手数料の金額は売却価格が400万円を超える場合、売れた価格の3%+6万円に消費税がかかります。
④お客様に見てもらおう【内覧】
不動産会社での販売活動が開始します。
不動産会社は
- 不動産の調査をし、販売用資料を作成する
- レインズに掲載する
- ネットのポータルサイトに掲載
- 自社がもつ見込み客にアプローチ
- 他の不動産業者に直接依頼
- チラシをまく
などの活動を行います。
その中で購入希望の方が現れたら実際に販売中不動産の見学(内覧)に来ます。
購入を決意する大きなきっかけとなるので、快く内覧してもらえるよう掃除など準備を行います。
⑤いよいよ契約【買付・売渡、契約締結、決済】
内覧した方が購入意思が固まったら、不動産売買を行います。
手続きは
- 買い付け・売り渡し証明書の交換
- 売買契約の締結
- 決済準備
- 決済
の順で行います。
どれも専門的な知識が必要なので、不動産会社の協力を得ましょう。
買い付け・売り渡し証明書の交換
買主が発行する条件の書面を「買い付け証明書」といいます。
売主は、それに対しやはり書面で返答します。この書類を「売り渡し証明書」といいます。
買い付け証明書には
- 金額
- 売買
- 希望日
- そのほかの条件
が記載されています。
これに対し、売主も書面で条件の返答(売り渡し証明書)を発行します。
条件交渉となる場合が多いので、不動産屋と相談しながら進めます。
売買契約
お互いが条件に納得したら、正式な売買契約を締結します。
売買契約にはお金の支払い方法や、引き渡した後不具合を発見したとき売主と買主どちらが責任をとるのかまで記載されますので、内容は必ず確認しておきましょう。
内容は
- 権利者の名前
- 金額
- 不動産の大きさ
- 支払い方法と時期
の基本的なことから、
- 引き渡し後に売主も知らない不具合が見つかった場合、責任はいつまで負うのか
など細かいことまで、後々トラブルにならないよう契約時に決めておきます。
普通は契約書締結と同時に買主から手付金を受領します。
決済準備
契約後は引き渡しができるよう準備を行います。
売主は引っ越し準備、買主は銀行とローン契約などがあります。
お隣との土地境界など、普段の生活では気にしなかった事も、はっきりと決めなくは売買できないので注意が必要です。
残金受領・名義変更(決済)
最後に売買の残金を受け取ると同時に不動産の名義変更を行います。
これを『決済』といいます。
名義変更は司法書士に依頼をします。
名義変更の費用は基本的に買主負担ですが、相続など売主の都合で登記が必要な所は売主の負担で行います。
税金
不動産が売却できて利益がでたら、納税を納付しなくてはなりません。
いったいいくら税金がかかるのか不安に思われるかもしれませんが、必ずしも税金がかかるわけではないのでご安心ください。
基本的には売却で利益が出た場合のみ税金がかかります。
また、相続などで購入時の価格がわからない場合でも特別に税金がかからない場合もあります。
知識豊富な不動産会社を選ぼう!
上記のように、不動産の売却には様々な知識が必要です。
不動産会社は営業力だけでなく、不動産取引に関する豊富な知識を持つ会社を選びましょう。