栃木県北東部の「那珂川町(なかがわまち)」は、那珂川の清流での鮎釣りのメッカとして有名です。
また、温泉水を利用した「トラフグ」の養殖を世界で初めて実用化した企業があります。
さらに町内には全国でもここだけ、内陸で唯一の水産科がある馬頭高校もあり、海なし栃木で一番の魚の町です。
今回、JTB宇都宮支店の主催するツアーに参加させていただき、那珂川と温泉フグを堪能してきました。(好評につき、記事執筆時点ではツアーは満員になりました)
温泉とらふぐとは
那珂川町には天然温泉が湧き出ています。塩分を含んだ泉質で、塩分濃度は海水と真水の中間くらい。
この温泉で養殖したのが「温泉とらふぐ」です。
温泉で育ったとらふぐは美味しくで成長も早く、多くのメリットがあるそうです。
温泉とらふぐの美味しさのワケは
でも、なんで海の魚のフグが海なしの栃木県で育つのでしょうか。それは那珂川町の温泉の泉質に秘訣があります。
人間も魚も、体内の塩分濃度は変わらないそうです。
魚は海水から塩分を補給、エラから水分を排出します。人間は食物で塩分を摂取する事で、体内の塩分濃度を調整しています。
那珂川町にある小川温泉はもともと体内にある生理食塩水に近い塩分濃度です。
体外に塩分を排出せず、無駄なエネルギーを消費しません。
また、暖かな温泉はフグが活発に活動する温度で、餌をよく食べるそうです。
さらに、温泉とらふぐには毒がないそうです。
海のフグは、微量の毒を含むプランクトンを食べることで体内に毒が蓄積します。
温泉で育ったフグは、管理された餌で育てることから毒がありません。
(ただし、日本の法律で毒を含む肝を提供することは禁止されています)
那珂川町には馬頭高校水産科もある
那珂川町にある馬頭高校には、全国でもここだけ内陸部の水産科があります。
海なし県にある水産科は、那珂川でアユの養殖を行う人材の育成を目的に設立されたそうです。
授業でオリジナルの鮎のオイル煮やキャビアを作り、一般に販売もしています。
温泉とらふぐのフルコースを食べてみた
那珂川町の御前岩物産センターで、ツアー特別のとらふぐフルコースを頂きました。
フグの魅力である身の弾力を最も楽しめるのはフグ刺しです。
フグはお腹を膨らませるので肋骨が無い分、筋肉で内蔵をガードします。そのためにコリコリとした食感が楽しめます。
刺身が厚いと噛みきれないほど筋肉質なため、お皿が透けて見えるほどの薄造りにするのも特徴です。
土瓶蒸しはフグの出汁が効いて格別な美味しさです。
山の中にある那珂川で新鮮なフグを食べれるとはなんとも贅沢ですね。